EXIF情報を活用したファイル整理術【メタデータで賢く分類する方法】
写真のEXIF情報(メタデータ)を使った高度なファイル整理方法を解説。撮影日時、カメラ機種、GPS、レンズ情報を活用した自動分類でプロ級の管理を実現。

EXIF情報を活用したファイル整理術【メタデータで賢く分類】
写真ファイルには、撮影日時、カメラ機種、GPS位置情報などの豊富なメタデータ(EXIF情報)が埋め込まれています。
この情報を活用すれば、手動整理の何倍も効率的にファイルを分類できます。
この記事では、EXIF情報の基礎から、実践的な活用方法まで徹底解説します。
EXIF情報とは?
Exchangeable Image File Format
**EXIF(エグジフ)**は、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した画像に自動的に記録されるメタデータ規格です。
主なEXIF情報
1. 撮影日時関連
- 撮影日時(DateTimeOriginal)
- 作成日時(CreateDate)
- 変更日時(ModifyDate)
- タイムゾーン
活用例:
- 日付別フォルダに自動分類
- 旅行・イベントごとに整理
- 時系列アーカイブ
2. カメラ情報
- カメラメーカー(Make)
- カメラ機種(Model)
- シリアルナンバー
- ファームウェアバージョン
活用例:
- カメラ機種別フォルダ分け
- メインカメラ/サブカメラの自動識別
- 機材別の作例管理
3. 撮影設定
- ISO感度
- シャッタースピード
- 絞り値(F値)
- 露出補正
- ホワイトバランス
- フラッシュの有無
活用例:
- 高ISO撮影の分析用フォルダ
- 絞り値別の作例整理
- ボケ味検証用の分類
4. レンズ情報
- レンズメーカー
- レンズモデル
- 焦点距離
- 最大絞り値
活用例:
- レンズ別作例フォルダ
- 焦点距離別の整理
- ポートフォリオ作成
5. GPS情報
- 緯度(Latitude)
- 経度(Longitude)
- 高度(Altitude)
- 撮影場所名(一部機種)
活用例:
- 撮影地別フォルダ
- 旅行先別の整理
- 地図との連携
6. その他
- 画像サイズ(解像度)
- 色空間(sRGB/Adobe RGB)
- 著作権情報
- キーワード/タグ
EXIF情報の確認方法
macOS標準機能(Finder)
手順:
1. 画像ファイルを右クリック
2. 「情報を見る」を選択
3. 「詳細情報」タブを開く
表示される情報:
- サイズ、解像度
- カメラ機種
- 撮影日時
- (一部のみ)
限界: ❌ 詳細なEXIF情報が見られない ❌ 一括確認ができない
Photosアプリ
手順:
1. 写真を開く
2. [command + I] で情報パネル表示
3. EXIFタブを確認
メリット:
- GUI で見やすい
- GPS情報を地図表示
デメリット:
- Photosライブラリへの取り込みが必要
- ファイル整理には不向き
ターミナル(exiftool)
インストール:
brew install exiftool
使用例:
# 全EXIF情報を表示
exiftool IMG_0001.JPG
# 撮影日時のみ表示
exiftool -DateTimeOriginal IMG_0001.JPG
# 複数ファイルを一括確認
exiftool -r *.JPG
メリット:
- 全てのEXIF情報を確認可能
- スクリプト化できる
デメリット:
- コマンドライン知識が必要
- 初心者には難しい
DockBuddy Organizer
手順:
1. ファイルを選択
2. DockBuddyで EXIF情報を自動読み取り
3. ルールに基づいて自動分類

メリット:
- GUIで簡単
- EXIF情報の活用が自動
- 整理まで一気に完了
EXIF情報を活用したフォルダ構造
パターン1: 撮影日時別(基本)
DockBuddy設定:
仕分けルール1: EXIF撮影日時 → 年フォルダ(YYYY)
仕分けルール2: EXIF撮影日時 → 月フォルダ(MM)
仕分けルール3: EXIF撮影日時 → 日フォルダ(DD)
結果:
Photos/
├── 2025/
│ ├── 01/
│ │ ├── 01/
│ │ ├── 15/
│ │ └── 20/
│ └── 02/
│ └── 14/
用途: 日常的な写真管理
詳しくは写真を日付別フォルダに自動で整理する方法をご覧ください。
パターン2: カメラ機種別
DockBuddy設定:
仕分けルール1: EXIF カメラ機種 → フォルダ
結果:
Photos/
├── Canon_EOS_R5/
│ ├── 2025-01-15/
│ └── 2025-01-20/
├── Sony_α7IV/
│ ├── 2025-01-15/
│ └── 2025-01-22/
└── iPhone_15_Pro/
└── 2025-01-18/
用途: 複数カメラ使用者、機材別作例管理
パターン3: レンズ別作例
DockBuddy設定:
仕分けルール1: EXIF レンズモデル → フォルダ
結果:
作例/
├── Canon_RF_24-70mm_F2.8/
│ ├── ポートレート/
│ └── 風景/
├── Canon_RF_70-200mm_F2.8/
│ └── スポーツ/
└── Canon_RF_50mm_F1.2/
└── ボケ味検証/
用途: レンズレビュー、購入検討、ポートフォリオ
パターン4: ISO感度別(高度)
DockBuddy設定:
仕分けルール1: EXIF ISO感度
└ ISO 100〜800 → 低感度/
└ ISO 800〜3200 → 中感度/
└ ISO 3200以上 → 高感度/
結果:
ISO検証/
├── 低感度/
│ └── 風景撮影向け
├── 中感度/
│ └ 日常撮影
└── 高感度/
└── 夜景・室内撮影
用途: カメラの性能検証、高ISO比較
パターン5: 撮影場所別(GPS活用)
DockBuddy設定:
仕分けルール1: EXIF GPS情報 → 位置情報フォルダ
結果:
旅行写真/
├── 東京/
│ ├── 浅草/
│ └── 新宿/
├── 京都/
│ ├── 清水寺/
│ └── 金閣寺/
└── 沖縄/
├── 那覇/
└── 石垣島/
注意: GPS情報がない写真は「位置情報なし」フォルダへ
用途: 旅行写真、ロケ地管理
パターン6: 絞り値別(プロ向け)
DockBuddy設定:
仕分けルール1: EXIF 絞り値
└ F1.2〜F2.8 → 開放/ボケ重視/
└ F4〜F8 → 標準/
└ F11〜F22 → 絞り込み/風景/
結果:
撮影設定別/
├── 開放_F1.2-F2.8/
│ └── ポートレート・ボケ味
├── 標準_F4-F8/
│ └── 一般撮影
└── 絞り込み_F11-F22/
└── 風景・パンフォーカス
用途: 絞り効果の検証、作例作成
パターン7: 複合条件(最上級)
DockBuddy設定:
仕分けルール1: EXIF 撮影日時 → 年月フォルダ
仕分けルール2: EXIF カメラ機種 → サブフォルダ
仕分けルール3: ファイル拡張子 → RAW/JPEG分離
結果:
2025/
├── 01/
│ ├── Canon_EOS_R5/
│ │ ├── RAW/
│ │ └── JPEG/
│ └── Sony_α7IV/
│ ├── RAW/
│ └── JPEG/
用途: プロカメラマン、商業撮影
詳しくはプロカメラマンのワークフローで解説しています。
実践例: EXIF活用シーン
ケース1: ウェディングフォトグラファー
課題:
- メインカメラ(Canon EOS R5)とサブカメラ(Sony α7 IV)
- 各3,000枚、合計6,000枚
- 挙式・披露宴・二次会で時系列整理も必要
DockBuddy設定:
仕分けルール:
1. EXIF 撮影日時 → 時間帯別
└ 10:00〜12:00 → 挙式/
└ 12:00〜16:00 → 披露宴/
└ 16:00〜 → 二次会/
2. EXIF カメラ機種 → カメラ別
└ Canon → メインカメラ/
└ Sony → サブカメラ/
3. 拡張子 → RAW/JPEG分離
整理後:
2025-01-20_山田様結婚式/
├── 挙式/
│ ├── メインカメラ_Canon/
│ │ ├── RAW/
│ │ └── JPEG/
│ └── サブカメラ_Sony/
│ ├── RAW/
│ └── JPEG/
├── 披露宴/
│ ├── メインカメラ_Canon/
│ └── サブカメラ_Sony/
└── 二次会/
所要時間: 手動1時間 → DockBuddy 5秒
ケース2: 旅行写真の整理
課題:
- 7日間の沖縄旅行
- iPhone + デジカメ(Canon)で撮影
- 撮影地ごとに整理したい
DockBuddy設定:
仕分けルール:
1. EXIF 撮影日時 → 日別フォルダ
2. EXIF カメラ機種
└ Canon → デジカメ/
└ iPhone → スマホ/
3. EXIF GPS → 位置情報(オプション)
整理後:
2025_夏休み_沖縄旅行/
├── 07-25_那覇到着/
│ ├── デジカメ_Canon/
│ └── スマホ_iPhone/
├── 07-26_美ら海水族館/
│ ├── デジカメ_Canon/
│ └── スマホ_iPhone/
├── 07-27_石垣島/
└── 07-28_帰宅日/
ケース3: レンズレビュー用作例
課題:
- 新しく購入したレンズの作例を整理
- 絞り値・焦点距離別に分類
- ポートフォリオにも活用
DockBuddy設定:
仕分けルール:
1. EXIF レンズモデル → レンズ別フォルダ
2. EXIF 絞り値 → 絞り別サブフォルダ
└ F1.2〜F2.8 → 開放/
└ F4〜F8 → 標準/
└ F11〜 → 絞り込み/
3. EXIF 焦点距離 → 焦点距離別(ズームレンズの場合)
整理後:
作例/
├── Canon_RF_24-70mm_F2.8/
│ ├── 開放_F2.8/
│ │ ├── 24mm/
│ │ ├── 50mm/
│ │ └── 70mm/
│ ├── 標準_F5.6/
│ └── 絞り込み_F11/
EXIF情報がない/壊れている場合の対処
よくある原因
-
編集ソフトでEXIFが削除された
- 一部の画像編集ソフトはEXIFを保持しない
- SNSアップロード時に削除されることも
-
スクリーンショット
- スクリーンショットにはEXIF情報がない
- ファイル作成日時のみ
-
スキャンした写真
- フィルム写真をスキャン
- EXIF情報は付与されない
-
ファイル破損
- データ転送エラー
- SDカードの不具合
DockBuddyの対処方法
フォールバック設定:
優先順位1: EXIF 撮影日時
優先順位2: ファイル作成日時
優先順位3: ファイル更新日時
優先順位4: ファイル名のパターン
優先順位5: 手動指定フォルダ
EXIFがなくても、確実に整理できます。
スマホとデジカメのEXIF違い
iPhone/Androidの特徴
iPhoneのEXIF:
- ファイル形式: HEIC(iOS 11以降)
- GPS情報: デフォルトで記録
- カメラ機種: "iPhone 15 Pro"等
- レンズ情報: 超広角/広角/望遠の区別あり
- Live Photosの動画部分にもEXIF
Androidの特徴:
- 機種により形式が異なる
- GPS情報の有無は設定次第
- メーカー独自のEXIFタグ
デジカメのEXIF
詳細度が高い:
- 正確なレンズ情報
- 詳細な撮影設定
- シリアルナンバー
- 著作権情報(設定可能)
DockBuddyでの統合管理
両方のEXIF形式に対応し、統一ルールで整理可能。
詳しくはRAW JPEG 分ける方法もご覧ください。
EXIF情報のプライバシー対策
GPS情報の削除
SNS投稿前に注意:
- GPS情報から自宅や行動パターンが特定される
- 個人情報保護のため削除推奨
DockBuddyでの対応:
オプション設定:
☑️ GPS情報を削除して保存
☑️ 著作権情報のみ保持
まとめ: EXIFで賢く整理
EXIF情報を活用すれば、手動整理の数十倍の効率で写真を分類できます。
EXIF活用のメリット
- ⚡️ 自動化 - 手作業不要
- 🎯 正確 - ファイル名に依存しない
- 🔧 柔軟 - あらゆる条件で分類可能
- 📊 分析 - 撮影傾向の把握
DockBuddyがおすすめな理由
- ✅ 全てのEXIF項目に対応
- ✅ 複雑な条件も GUI で簡単設定
- ✅ フォールバック機能でEXIFなしも安心
- ✅ 買い切り型、月額料金なし
EXIFの力で、写真整理を革新しましょう。
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